コラム

焼酎の原料ってなに?甲乙の種類と製造方法も解説!

焼酎といえば、芋や麦、米、黒糖が定番でしょう。

しかし、ここ近年は様々なバリエーションの焼酎を目にすることがあります。

日本酒やワインなどと比べると、原料が幅広い点は焼酎の特徴です。

実は、焼酎には連続式蒸留焼酎(甲類)と単式蒸留焼酎(乙類)の2種類が存在します。

どちらも焼酎とはいえ、原料や製造方法が異なることをご存知でしたか?

定番の原料はどちらの焼酎に当てはまるのでしょうか。

焼酎の定義を知ることで、より一層焼酎の世界を堪能できます。

今回は、焼酎の原料や製造方法にスポットを当てて解説していきましょう。

焼酎の種類や原料が気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

連続式蒸留焼酎(甲類)の原料

連続式蒸留焼酎(甲類)の原料で多く見られるのが、サトウキビの糖蜜でしょう。

また、麦や米の穀物トウモロコシも原料として使われています。

使われる原料について紐解いていきましょう。

 

連続式蒸留焼酎(甲類)の主原料である糖蜜とは

砂糖の原料でもあるサトウキビは、砂糖を生成した後にもたくさんの糖分が残っています。

こうして残ったものを「廃糖蜜」といい、発酵させ蒸留機内で醪を繰り返し蒸留したのが連続式蒸留焼酎(甲類)です。

もともと糖分の蜜糖は、穀物を原料とした焼酎よりも効率よくアルコールの製造が大量に出来るのです。

また、そもそも砂糖の製造過程に出る副産物であり、原価が安いことからはリーズナブルな価格で販売されています。

以下連続式は甲類、単式は乙類と記載します。

 

糖蜜以外の原料もある

法律上、甲類は糖蜜以外の原料を使って製造しても問題ありませんが無色透明で原料の風味はありません。

いわゆる芋や麦等の素材の味や蔵の個性を堪能する焼酎ではなく、原料特性のないピュアなアルコールで、サワー等のベースとしても利用されています。

 

 

甲類の作り方

甲類は、明治末期にアイルランドで開発された「連続式蒸留機」で製造されます。

一つの蒸留機の中で繰り返し蒸留を行うため、アルコール成分を効率よく製造し連続蒸留なのでかなり高いアルコールを作り出します。

そして酒税法によって甲類のアルコール度数は36度未満なので度数調整する機械的に大量生産できる焼酎です。

 

 

単式蒸留焼酎(乙類)の原料

古くから活用されている日本の順序「甲乙丙」に当てはめると、乙類の方が甲類より劣る印象がありますが、品質の優劣を示したものではありません。

あくまでも酒税法上の分類としての表示であり、2006年度の税制改正では、乙類を「単式蒸留焼酎」、甲類を「連続式蒸留焼酎」という定義に変更されました。
(甲類・乙類使用は可)

むしろ、乙類には原料に関する規定が設けられており、甲類よりも本格的に原料が持つ味わいや蔵の個性を堪能できる焼酎ともいえるでしょう。

そのため、乙類には根強いファンが多く見られます。

続いては、乙類の原料について細かく解説していきましょう。

 

乙類(本格焼酎)に使うことができる原料とは

乙のうち本格焼酎と定義できる焼酎には範囲があります。

サツマイモや麦、米、黒糖と麹、酒粕などポピュラーなものから、小豆やアロエ、銀杏などを原料としたものまでその他合計49品目に渡ります。

一見厳密に定められている印象がある乙類焼酎ですが、意外と選択肢は多く、乙類焼酎の味わいは無限大ともいえるでしょう。

 

乙類の代表的な原料

乙類といってイメージする原料といえば、多くの人がサツマイモや麦、米、黒糖をイメージするでしょう。

芋焼酎に使われるサツマイモは、普段食べている食用品種もありますが、黄金千貫等の焼酎製造用の品種を中心に使用されています。

一方、米焼酎は、清酒製造用の酒造好適米を使用する焼酎もありますが地元産の食用のブランド米を使うケースが多々あります。

また麦焼酎に多く使われている麦は、二条大麦という品種です。

明治初期にビールの原料としてヨーロッパから輸入されました。

オーストラリア等の海外産や国産、また黒糖も無農薬自家栽培の蔵等もあるのでそれぞれの焼酎の特性や特徴、蔵のポリシーにあわせて吟味し使用しています。

 

 

乙類の作り方

乙類は、古くから導入されてきた「単式蒸留」という方法で製造されます。

明治初期までは、焼酎といえば単式蒸留が当たり前でした。

単式蒸留は、原料醪をを大方の焼酎蔵は1回のみ蒸留します。

手間暇は大変かりますが原料自体の味や香りをしっかり出せるのが特徴。

米や麦で麹をつくり、芋や麦、米、黒糖等を加えて発酵させ、醪を蒸留します。

また、アルコール度数も45度以下と定められています。

ちなみに蒸留後に加水しなくても原酒標記出来る度数帯は36度以上45度以下になります。

素材の持ち味を楽しめることから、ストレートやロック、お湯割りといったシンプルな飲み方をするのに適しているでしょう。

価格の面でいえば、連続式蒸留と比べると原料や生産コスト、貯蔵時間軸等様々なところで生産効率がかかるため、甲類より高価な焼酎が多く見られます。

 

 

焼酎の原料は様々!飲み方や好みで選ぼう

いかがでしたでしょうか。

この記事をご覧いただくことで、焼酎の原料や製造方法がおわかりいただけたと思います。

焼酎の原料はバリエーション豊富にあり、飲み方や好みによって選びやすいのが特徴です。

今後、様々なシチュエーションで焼酎に出会うと思います。

そんな時にこの知識が焼酎を選ぶ基準となり、より一層深く焼酎を知り、好きになっていくはずです。

特に、「本格焼酎」は奥が深く、各蔵元が日々焼酎造りに磨きをかけています。

私たちは「本格焼酎」と出会った分だけ焼酎ライフが充実し、至福の時間へと導かれることでしょう。

 

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